2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
心不全患者の運動療法はかつて「安静第一」とされることが多かった時代もありました。しかし現在は「安定期だからこそ安全に、そして効果的に行うべき」ものへと大きく変化しています。 2025年3月に改訂された心不全診療ガイドラインでは、最新の知見を踏ま…
心疾患のある患者さんを離床させるとき、あなたはどんな情報を頼りにしていますか?血圧やSpO₂の安定だけでなく、「心エコー」のレポートには、リスク管理に欠かせないたくさんのヒントが詰まっています。 この記事では、臨床で見逃せない5つの心エコー所見…
腰痛は理学療法の現場で最も頻繁に出会う症状の一つであり、患者の多くは慢性的な痛みに悩まされています。 本記事では、腰痛を4分類で整理し、椎間板の構造や荷重分担、そして疼痛メカニズムの概要を明確に解説していきます。 1. 非特異的腰痛の4つの分類 …
臨床現場で日々出会う“痛み”というサイン。「痛みがあるから治療する」のではなく、「痛みがどこから・なぜ出ているのか?」を深く掘り下げることで、より本質的な評価と介入が可能になります。 本記事では、痛みを読み解くための3つの視点を解説します。 1.…
はじめに 今回の内容は、セラピストとして知っておくべきショックの評価と対応についてです。 ショックとは、血液の循環が不十分となり酸素供給が足りない状態が続くことで、細胞の酸素代謝が障害される病態です。 これが進行すると、臓器不全や多臓器不全を…
脳室シャントは水頭症と呼ばれる脳内の髄液(脳脊髄液)の異常貯留を改善するために行われる代表的な治療法です。 高齢者の正常圧水頭症や外傷後の水頭症などでシャント術が施行された患者さんを担当する療法士も多いでしょう。 この記事では、シャントの基…
本日もご覧いただきありがとうございます。 心エコーレポートを手にしたとき、「どの数値を見ればいいの?」と迷ったことはありませんか?LVEFやE/Aといった指標は、心機能の評価において非常に重要な情報を与えてくれます。 この記事では、臨床でよく使われ…
はじめに|肩の治療で“肩甲骨”をどう扱っていますか? 肩関節の患者さんを担当するなかで、「可動域や筋力は回復しているのに、なんとなく違和感が残る」そんなケースに出会ったことはありませんか? 私自身、臨床経験を重ねるほどに実感しているのが、肩甲…
はじめに 「肩がうまく挙がらない」「肩の痛みがなかなか引かない」 実は、肩関節障害の多くに肩甲骨の不安定性=肩甲骨運動障害(scapular dyskinesis)が関与しています。 1. 肩甲骨の解剖学と安定性の役割 肩甲骨は、肩甲上腕関節の動きを支える“動的な安…