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高次脳機能にかかわる“線維束”を整理!若手PTのための脳解剖入門

 

【脳機能シリーズ②】皮質間ネットワークの理解を深める

〜連合・交連線維とリハビリのつながり〜

 

 

◆ 皮質間ネットワークの3分類(復習)

  1. 投射線維(上下連絡):運動野と脊髄などの下位中枢をつなぐ(例:皮質脊髄路

  2. 交連線維(左右連絡):左右の大脳半球間をつなぐ(例:脳梁

  3. 連合線維(同側連絡):同じ半球内の異なる皮質領域をつなぐ(例:上縦束)

 

◆ 今回のテーマ:交連線維・連合線維

 

【1】交連線維(左右の大脳をつなぐ橋)

脳梁(Corpus Callosum)

  • 左右の大脳半球を連絡する最大の神経線維束

  • 脳梁膝・体・膨大部・脳梁交連・脳梁縦束などから構成

  • 高次運動制御・認知処理に重要な役割

■ 前交連

  • 側頭葉の下部にある交連線維

  • 左右の嗅内側野・扁桃体・三角回をつなぐ

 

【2】連合線維(同側の皮質領域を連携)

■ 上縦束(SLF: Superior Longitudinal Fasciculus)

  • 島上部を前後方向に走る太い連合線維束

  • 前頭葉頭頂葉〜側頭葉を結ぶ

SLF I:
  • 上頭頂小葉〜前頭葉前部(背外側前頭前野)を連絡

     

  • 空間認知や視覚的注意に関与

SLF II:
  • 下頭頂小葉(楔前部)〜前頭前野背外側部と連絡

  • 視覚性の空間処理、目標志向性の注意などに関わる

SLF III:
  • 下頭頂小葉〜運動前野・ブローカ野(44・45野)を連絡

  • ミラーシステムに関与し、
     - 動作の模倣
     - 言語・ジェスチャーの構成にも寄与

  •  

【3】弓状束(AF: Arcuate Fasciculus)

  • SLF IIIの一部が進化した経路

  • 上側頭回(ウェルニッケ野)〜前頭前野(ブローカ野)を連結

  • 視覚された言語 → 音読・復唱へと変換

  • 言語の理解と表出の架け橋として重要なネットワーク

 

◆ リハビリへの応用ポイント

  • 空間認知障害:SLF II・Iの損傷が関連。姿勢制御や転倒予防に影響。

  • 構音障害・失語症:AFやSLF IIIが関与。ミラーセラピーや反復訓練で改善を目指す。

  • 動作模倣障害(観察→実行):SLF III、ミラーシステムの障害を疑う。

  • 左右連携が困難なケース脳梁損傷では、協調運動が難しくなる(例:両手動作など)。

以下は、前回のブログ記事「【脳機能シリーズ②】皮質間ネットワークの理解を深める」に、最新の海外文献を基にした専門的な情報を加えた有料記事のアップデート案です。リハビリテーションの臨床応用に焦点を当て、各線維束の損傷と機能障害との関連性を明確に示します。

 

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