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【基本動作シリーズ②】寝返りから起き上がり動作を3相で解剖する|屈曲・回旋パターンと筋活動の理解

 

【寝返りから起き上がり動作】3相に分けて理解する!

〜屈曲・回旋パターンと筋活動の臨床応用〜

こんにちは、本日もご覧いただきありがとうございます。

 今回のテーマは基本動作である「寝返りから起き上がり動作」に注目し、動作を3つの相に分けて評価・介入のヒントをお伝えします。

 

◆ なぜ屈曲・回旋パターンが重要なのか?

寝返りから起き上がる動作は、単なる筋力だけでなく、体幹の屈曲+回旋パターンの協調性が鍵になります。
特に起き上がり前半(第1相)では、回旋の始動がうまくいかないと、その後の動作全体に影響してしまいます。

 

◆ 起き上がり動作の3相モデル

【第1相】頭頚部の制御とリーチ誘導

  • 頭頚部が軽度に屈曲・回旋

  • 上側の肩甲帯が前方突出 → リーチ動作

この段階で視覚や前庭入力を活かした姿勢制御が始まり、方向付けが行われます。
「リーチの引き出し」が成功すれば、動作全体が滑らかに。

🔎臨床ポイント
👉 「リーチが出るか?」
👉 「頭頚部が柔軟に動いているか?」

 

【第2相】体幹上部の回旋と重心移動

  • 胸椎〜腰椎の回旋で重心移動

  • 上側の肩が下側の肩の上に来る

ここで体幹回旋トルクが発揮され、重心が斜め前方へ移動。
ベッド面から浮き上がる感覚を得やすくなります。

🔎臨床ポイント
👉 回旋が出ているか?
👉 胸郭の柔軟性は?

 

【第3相】下部体幹の回旋と支持基底の形成

  • 骨盤・下部体幹の回旋

  • 下側の肩甲帯が前方突出 → 支持基底面の形成

  • 小指球を接地 → 上肢の筋活動が促進

この段階で下側上肢による体重支持が必要になります。
小指球で支持することで、肩甲帯や体幹の回旋をアシストします。

⚠️ 注意点
上肢が体の下敷きになると、肩関節に圧痛や炎症が生じるリスクがあります。これにより回旋動作が制限されるため、ポジショニングや初期動作の工夫が重要です。

 

◆ 回旋パターンを支える筋活動

起き上がりの回旋運動では以下の筋が主に活動しています:

  • 下側の前鋸筋

  • 上側の外腹斜筋

これらの協調的な筋活動が胸郭を回旋させることで、動作がスムーズになります。

 

◆ 明日から使える!臨床での活用アイデア

リーチ動作を引き出す誘導
→ 上側肩甲帯に手を添えて前方誘導してみましょう。

体幹回旋を助ける声かけや接触
→ 「反対の肩を見るように」など、視覚誘導が効果的です。

肩関節の保護を意識したポジショニング
→ 支持上肢の位置確認を忘れずに!

 

◆ まとめ

寝返りから起き上がり動作は、「屈曲+回旋パターンの協調」「支持面の形成」「筋のタイミング」という視点で評価・介入することが重要です。
動作を3相に分けて観察・促通できると、より個別性の高いアプローチが可能になります。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
このような動作分析を、明日の臨床にぜひ活かしてみてください。