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基本動作シリーズ③起立・着座

 

 

 本日もご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは、【起立・着座動作の身体重心移動戦略】についてです。

 

早速ですが、起立動作についての動作分析を解説していきます。

 

まず起立動作において重要な身体重心の移動について。

前後、上下の移動を同時に協調し行うことで、重心位置が足部から上方へ移動していきます。

力学的な制御戦略として、安定戦略と運動戦略に分けられます。(stability+mobility)

これは、股関節を屈曲させ上半身を大きく前方へ傾けることで、重心を足部の中の支持基底面に入れてからゆっくり立ち上がる戦略です。

身体重心を前方へ加速させて立ち上がる戦略では支持基底面に重心が入る前に離殿が行われることで、勢いにより重心が支持基底面に入っていなくても後方に倒れないようになっています。

こちらはstabilityよりも上半身の前傾は少なくて済むため健常人に多くみられます。

 

 

【起立まとめ】

  • 戦略1: 足部から上方に移動し、安定戦略+運動戦略を協調して行う

  • 戦略2: 股関節を屈曲させて上半身を前方に大きく傾け、重心をBOS内に入れてからゆっくり立ち上がる

  • 戦略3: 身体重心を前方へ加速させ、勢いを使って立ち上がる(BOSに重心が入る前でも後方に倒れない)

  • 健常者の戦略: 身体の前傾を少なくし、安定性よりもスムーズな立ち上がりを重視

 

続いて着座についてです。

着座動作では、重心を下方へ移動させながら臀部を床面に接触させ、支持基底面に重心を移動させます。

重要なのは、身体重心の下降と後方移動が協調的に行われることです。

身体重心の下降は膝関節屈曲により行われ、後方移動では臀部を座面に接触させるため、移動しすぎると後方へ転倒してしまいます。

また、身体重心の前後方向への移動では、体幹の前傾や、足関節の背屈角度の協調が必要となっていきます。

 

 

【着座まとめ】

  • 戦略1: 重心を下方に移動させながら臀部を座面に接触させ、BOSに移動

  • 戦略2: 膝関節屈曲と臀部後方移動を協調。過度に移動すると後方転倒の危険あり

  • 戦略3: 体幹前傾と足関節背屈角度の協調により、スムーズに座面に接触

 

 これらの動作戦略を知っておくことで、患者さんの立ち上がりや着座動作をサポートしやすくなります。特に、立ち上がり時に身体の前傾を減らすことで、より安全に立ち上がることができます。

 

本日の内容はここまでとなります。次回は起立着座動作を相分けしてお伝えしていきます。最後までご覧いただきありがとうございました。