本日もご覧いただきありがとうございます。本日は前回の続きで起立着座をテーマに進めていきます。
起立
第1相(座位→離殿)
・股関節屈曲による骨盤の前傾により体幹が屈曲または前方傾斜
頸部、体幹は中間位より開始し脊柱は基本屈曲しない。
下肢荷重の準備が行われ、四頭筋、大殿筋、ハムストリングスの緊張が高まり、下腿がまっすぐに床面に配列される
Pointは左右対称であること。
第2相(臀部離殿)
・身体重心の前方移動と離殿の瞬間に膝がわずかに前方へ移動し足関節の背屈が起こる
足関節背屈はこの時が最大背屈となる
これは下腿が立ち上がるために最適な前方傾斜に配列され、股関節屈曲が止まるタイミングで膝の伸展が起こり、離殿が起こる
・正常では左右の足底が全面接地し、踵が荷重を受け床面を押し込むことができるが、
・異常例では、踵が浮いたり、足底外側だけで接地したり、足趾が強く屈曲または伸展することがある。
第3相(足部最大背屈→股関節伸展終了)
・臀部と頭部が同時に重心線に近づくことで、身体重心が上方へ移動する
・股関節、膝関節伸展が同時に起こることで、下肢が進展
・足関節が徐々に底屈し、支持基底面から逸脱しないよう調整する
着座
第1相(立位→股関節屈曲開始)
・立位からわずかに骨盤の後傾が起こり、足関節は背屈していき、大腿部を鉛直に保持したまま、下腿の前方傾斜が起こり、膝が前方に出るように屈曲していく
・骨盤が前傾し、股関節の屈曲が開始される
第2相(股関節屈曲開始→着座)
・骨盤前傾し体幹の前方傾斜が大きくなる
・体幹内部で屈曲伸展はほとんど起きず、股関節、膝関節が屈曲することで身体重心が下降していく
・足関節は開始時背屈していくが、途中から下腿の傾斜角度と体幹の前方傾斜が最大となる
・坐骨結節から座面に接触
・着座後に足部と臀部の支持面に荷重が分配される
・着座後に骨盤の後傾が起こり、前方傾斜から体幹が起き、足部の荷重が解放される
まずは正常な動作分析を理解することで、患者様の異常動作に気が付けるように評価してみましょう。
本日は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。