@pt.リハビリnote

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【臨床で活かす】肩甲骨の安定性と評価・介入の進め方

 

 

 はじめに

「肩がうまく挙がらない」「肩の痛みがなかなか引かない」

実は、肩関節障害の多くに肩甲骨の不安定性=肩甲骨運動障害(scapular dyskinesis)が関与しています。

 

 

1. 肩甲骨の解剖学と安定性の役割

肩甲骨は、肩甲上腕関節の動きを支える“動的な安定基地”です。
胸郭と骨性に連結するのは胸鎖関節
のみであり、筋・靭帯による支持構造であるため、高い可動性と引き換えに不安定さを持ち合わせています

そのため、僧帽筋・前鋸筋・菱形筋などの肩甲骨周囲筋の協調的な活動によって、肩甲胸郭関節が動的に安定化され、肩甲骨は上腕骨頭の運動に対する安定した土台として機能します。

 

 肩甲骨が不安定になると…?

  • 肩甲上腕リズム(Scapulohumeral rhythm)の破綻

  • ローテーターカフや長頭二頭筋腱へのストレス増大

  • 肩峰下インピンジメントの誘発やパフォーマンス低下

 

 

2.肩甲骨の安定性に関わる筋群とその役割

 肩甲骨の安定性は、主に肩甲骨を胸郭に密着させ、適切な位置関係を保つ筋群によって支えられています。以下は、その代表的な筋と作用です。

 

筋名 主な作用
前鋸筋 肩甲骨を胸郭に密着させ、上方回旋・後傾に寄与   
僧帽筋 上部 肩甲骨の挙上と上方回旋
僧帽筋 中部 肩甲骨の内転(後退)
僧帽筋 下部 肩甲骨の下制と上方回旋
菱形筋(大小)    肩甲骨を内側に引き寄せて後退・下方回旋を補助
肩甲挙筋 肩甲骨の挙上と下方回旋

 

 

 特に、前居筋と僧帽筋下部は肩甲骨の上方回旋の“フォースカップル”として機能し、肩関節の挙上を安定して導くために不可欠です。

これらの筋群が動的に協調して収縮することで、肩甲骨は胸郭上で理想的な位置と動きを保ち、肩甲上腕関節の滑らかな運動と安定性を支えています。

さらに、肩甲骨周囲のこれらの筋群は、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋(回旋筋腱板)と連携しながら、肩関節複合体の機能全体を構築しています。

 

 

本日はここまでとなります。次回は具体的な評価と介入方法について進めていきます。

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