2025-01-01から1年間の記事一覧
【Pauwelsの理論と股関節内転筋・外転筋の力学的理解】 ~杖の使い方で筋負荷が変わる?歩行中の力学を可視化する~ はじめに 股関節の力学的理解は、歩行や起立時の筋活動を予測し、リハビリテーションの介入方針を考える上で非常に重要です。 今回は「Pauw…
【脊柱起立筋と体幹深層筋の臨床的役割】 ~回旋・伸展・安定性をどう評価し、治療へつなげるか~ はじめに 脊柱や骨盤の動的安定性を支える「体幹深部筋群」は、リハビリテーションにおいてしばしば見逃されがちな要素です。 本記事では、脊柱起立筋群や腹…
本日もご覧いただきありがとうございました。本日のテーマは関節可動域制限のメカニズムと臨床における介入戦略についてです。 1.膝関節における屈曲制限の構造的要因と治療戦略 膝関節の可動域制限(特に屈曲制限)は、支持組織の線維化・癒着、関節内滑走…
本日もご覧いただきありがとうございました。本日のテーマは歩行観察についてです。 歩行は、ヒトが最も日常的に行う運動の一つでありながら、高度な神経・筋・力学制御が統合された極めて精緻な運動です。特に、歩行周期の中で各筋がどのタイミングで、どの…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは、頚部骨折と転子部骨折についてです・ X線による基本分類(Garden分類など) AO/OTA分類の細分類(2018改訂) CTを用いた不安定性評価(一次骨折線分類)の順で、分類と治療戦略を統合的に整理して…
本日もご覧いただきありがとうございます。 本日のテーマは「胸部レントゲンについて」です。 理学療法士が胸部レントゲンを理解する目的 1. 病態の把握:肺や心臓の状態を視覚的に確認し、呼吸・循環機能の予測が可能。 2. リスク管理:気胸や胸水などの禁…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは基本動作シリーズ「起き上がり動作」についてです。 「起き上がり」は、日常の基本動作ですが、その背景には複雑な運動戦略があります。 同じ“起き上がり”でも、年齢や身体機能によって動き方はさま…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは膝関節への進入法についてです。 膝の術後リハビリを担当する中で、「この方の可動域制限や筋力低下は、術式と関係があるのでは」と感じることはありませんか?特に進入法の違いは、術後の回復過程に…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは反張膝に対する介入戦略についてです。 1. 反張膝とは? 反張膝(knee hyperextension)は、立脚中期~後期に膝関節が生理的伸展範囲を超えて過伸展する現象であり、歩行効率・安定性の低下のみなら…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは関節モビライゼーションに関する記事です。 1. はじめに 関節運動における疼痛の原因として、関節包内運動の制限や不安定性が挙げられる。 これらの問題に対する治療法として、関節モビライゼーショ…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは膝関節症について。 変形性膝関節症(knee osteoarthritis, 以下膝OA)は、高齢者に多く見られる疾患であり、膝関節の変形や痛み、機能障害を引き起こします。その進行や治療効果の評価には、静的なX…
はじめに:歩行とは何か? 歩行とは、二足で体を支持しつつ重心を前方に移動させる極めて高度な運動です。私たちが日常的に何気なく行う歩行は、関節、筋、感覚、脳、脊髄といった多層的な構造の協調により成立しており、リハビリテーションにおいて中心的な…
✅【保存版】変形性股関節症に対する運動療法まとめ 本日もご覧いただきありがとうございます。以前に続き変形性股関節症に対する運動療法についてまとめていきます。 股OAのリハでは「疼痛軽減・機能改善・QOL向上」の3点を軸にした運動療法が重要であり、エ…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは変形性股関節症の評価についてです。 皆さんもこんな場面を経験したことがありますか? 臨床場面において変形性股関節症に対する治療法立案ができない、そもそも評価の方法がわからない。 この悩みを…
【臨床でよくみる】被殻出血とリハビリテーションの視点 本日もご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは被殻(putamen)についてです。 臨床現場でもよく遭遇する被殻出血を中心に、評価やリハビリのポイントをお伝えしていきます。 1. 被殻とは?…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは視床核についてです。 視床は、脳の中心部に位置し、感覚や運動の情報を大脳皮質へ中継する重要な構造です。視床の各核は、特定の感覚や運動機能に関与しており、その障害は多様な臨床症状を引き起こ…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは小脳性認知情動症候群についてです。 「小脳=運動の司令塔」と学んできた方も多いかもしれません。 しかし近年、小脳が“思考”や“感情”にも深く関わっていることが明らかになってきました。 なかでも…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは若手セラピスト向けに小脳について考えていきます。小脳=運動の調整のイメージがあるかと思います。しかし、それだけではないんです。 最近の研究では、小脳が感情・言語・記憶・注意力にも関わって…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日は前回の続きで起立着座をテーマに進めていきます。 起立 第1相(座位→離殿) ・股関節屈曲による骨盤の前傾により体幹が屈曲または前方傾斜 ・体幹が足部より前にでるまで体幹が前傾 頸部、体幹は中間位より開…
本日もご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは、【起立・着座動作の身体重心移動戦略】についてです。 早速ですが、起立動作についての動作分析を解説していきます。 まず起立動作において重要な身体重心の移動について。 前後、上下の移動を同時…
【寝返りから起き上がり動作】3相に分けて理解する! 〜屈曲・回旋パターンと筋活動の臨床応用〜 こんにちは、本日もご覧いただきありがとうございます。 今回のテーマは基本動作である「寝返りから起き上がり動作」に注目し、動作を3つの相に分けて評価・介…
【脳機能シリーズ②】皮質間ネットワークの理解を深める 〜連合・交連線維とリハビリのつながり〜 ◆ 皮質間ネットワークの3分類(復習) 投射線維(上下連絡):運動野と脊髄などの下位中枢をつなぐ(例:皮質脊髄路) 交連線維(左右連絡):左右の大脳半球…
【脳機能シリーズ】 高次脳機能障害を読み解く 前頭葉・頭頂葉の皮質機能マップ 〜感情・行動・空間認知の障害をどう理解するか〜 はじめに 脳卒中後のリハビリでは、運動麻痺だけでなく、行動・感情・空間認知の変化への理解が不可欠です。これらは前頭葉や…
はじめに 脳の大脳皮質間をつなぐ「皮質間ネットワーク」は、感覚情報の統合や運動制御、高次認知機能において重要な役割を果たします。本記事では、皮質間ネットワークの構造と機能を解説し、リハビリテーションにおける評価と介入のポイントを具体的に紹介…
本日もご覧いただきありがとうございます。 今回は、脳卒中リハビリで注目されている学習戦略の視点にフォーカスしていきます。 脳卒中患者の運動障害に対するリハビリテーションでは、単に筋力を回復させるだけでなく、「運動を学び直す」視点が極めて重要…
本日もご覧いただきありがとうございます。 今回も臨床において重要な感覚についてをテーマにしていきます。 ◆ なぜ“感覚”へのアプローチが重要なのか? ヒトの運動や行為は、感覚と運動のループによって成り立っています。つまり、「動くために感じ」、「感…
はじめに 体幹を前傾させる動作は、日常生活動作やリハビリにおいて非常に重要な基本運動です。しかし、患者が「うまく前に倒れない」「腰が丸まる」「膝が曲がる」といった問題を抱えることは多く、原因は単純な柔軟性低下にとどまりません。今回は、体幹前…
【肩関節屈曲と大胸筋活動の関係】 ~なぜ肩関節屈曲で大胸筋が働くのか?~ ◆はじめに 肩関節の屈曲運動において、大胸筋が活動する場面に出会ったことはありませんか?「屈曲=三角筋・烏口腕筋」と考えていた方にとっては、少し違和感があるかもしれませ…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマは心リハで必要となる運動負荷の評価と、運動処方の基本についてです。 ぜひ参考にしてみてください。 1. 運動負荷の評価方法 評価法 説明 特徴・活用場面 6分間歩行試験(6MWT) 6分間で歩ける距離を…
本日もご覧いただきありがとうございます。本日のテーマはリスク管理についてです。 リハビリを行う際にぜひ参考にしてみてください。 リハビリ実施前にチェックすべき症状(リスク管理の視点) 日本リハビリテーション医学会によるとリハビリテーションの中…